《競技規則 総則》
2023年8月改定
【参加資格】
・ 競技実施日に有効な日本モデルロケット協会(以下、JAR)発行のモデルロケット従事者証(ライセンス)
を有する者であること、老若男女、国籍は問わない。ただし、満12歳以下の競技会参加者については親権者
(または保護者)の同伴を必要とする。
【エンジン】
・ 使用するエンジンは、JARの認定品でなければならない。
【機 体】
・ 競技で使用される機体は、事前飛行テストによって安全な飛行が行えることを確認されていなければならな
い。
・ 機体の外表面の部材は、紙、木、プラスチックなどの非金属を用いて製作されたものでなければならない。
ただし、エンジンを固定するための部材を除く。
・ 機体の外装に、容易に判読できる書体、サイズで競技参加選手のライセンス番号を必ず明記すること。
・ 機体の外表面は、原則としてフィンとノーズ以外は鋭利な形状の部分があってはならない。特に、機体に細
い棒状の突起物を設けることは禁止とする。
・ 機体は、競技参加選手と製作者が異なる場合、大会受付時に申告しなければならない。
【リカバリーシステム(回収システム)】
・ リカバリーシステムは、回収時の安全性確保のため、必ず装着すること。
・ リカバリーシステムはパラシュートまたはストリーマとする。
@ パラシュート
(ア) ショックコードとシュラウドラインを兼用してはならない。
(イ) パラシュートは平面展開時において直径φ150mm以上の円を確保し、シュラウドラインは3本
以上でなければならない。
A ストリーマ
(ア) ストリーマは、均質、無孔の長方形であり、数量は1個とする。
(イ) ストリーマの長さと幅の比は10:1以上なければならず、また幅(短辺)は少なくとも25mm以上
なければならない。長さ計測には補強材部を含まない。
(ウ) ストリーマ片側短辺の端には、その辺の全長に渡る棒状または板状の補強材を取り付けること。
シュラウドラインは、その補強材に接続すること。
(エ) ストリーマと機体を接続するラインは1本とする。(下図参照)
【発射台】
・ 参加者は、主催者が準備する発射台を使用すること。
・ ランチロッドの直径はφ3mmとし、ディフレクターからランチロッド先端までの長さは750mm以上とす
る。素材はステンレスとする。
【エントリー】
・ 競技参加選手は、所定のエントリーシートに必要事項を記入し、主催者が定めた時間内に受け付けを済ませ
ること。
・ 参加費は事前に主催者指定の方法で支払いを済ませておくこと。
・ 受け付け時にゼッケンまたは参加者証などの競技者を示す識別物が配布された場合、必ずそれを着用するこ
と。
【検 査】
・ 検査は、主催者が定めた時間内に済ませること。
・ 競技種目毎に機体及び使用エンジンの検査が実施され、合格時には検査員のサイン(またはスタンプ)がな
される。ただし、主催者が競技のためにエンジンを用意する場合には参加者が各自で用意 したエン
ジンは使用できず、エンジンの検査も行われない。
・ 検査で不合格となった機体またはエンジンは、理由の如何を問わず競技会では使用する事は出来ない。ただ
し検査不合格となった機体に限り、後に適切な修正を行った場合には、主催者が定めた時間内であれば再
度検査を受けることができる。
・ 機体検査を合格した機体は、何らかの理由により修理を行なった場合、再度機体検査を受けなければなら
ない。
・ 検査員が危険を及ぼす恐れがある機体とみなした場合は、検査不合格とする。
【打上げ準備】
・ エンジン及びイグナイターの装着は、必ず、指定された打ち上げ準備所内で行うこと。
・ エンジン、イグナイターの装着の完了した機体は、射場に立ち入る許可が出るまで打ち上げ準備所に保管し、
みだりに打ち上げ準備所外に持ち出さないこと。
・ 打ち上げ準備所に立ち入る許可が出る前に打ち上げ準備所に立ち入る事は禁止する。
・ 打ち上げ準備所に立ち入る許可が出た、もしくは打ち上げ準備所に入るよう促された場合には、速やかに打
ち上げ準備所に入ると共に、打上げ準備を開始すること。
・ 射場へ立ち入る許可が出るまでにエンジン及びイグナイター装填など、打上げに必要な準備は完了させてお
くこと。
【打上げ】
・ 選手は、射場へ立ち入る指示が出た際には、競技役員の指示に従い、速やかに発射台に機体をセットする。
・ 打上げの最終判断は、射場安全管理者(RSO:レンジセーフィティーオフィサー)の安全確認終了後、計測
員、記録員の準備が整ったことを確認したのち、競技委員長のグリーンフラッグ掲示によって示される。
その合図をもって、RSO(レンジセフティーオフィサー)がカウントダウンの開始を指示する。
【失 格】
・ 射場へ立ち入る指示が出た後3分以内に発射準備が完了しない場合には、その打上げは不点火とする。
・ カウントダウン0の後、5秒以内にエンジンに点火しない場合には不点火とする。
・ 1ラウンドで2回の不点火で、そのラウンドは失格となる。
・ 競技委員によって安全なフライトでは無かったと判断された場合にはそのラウンドは失格とされ、競技委員
長によりレッドフラッグが掲示される。安全なフライトでは無い場合を以下に挙げる。
@ リカバリーシステムが完全に機能していないとみなされる場合
A 一連のフライト中に機体の部品(エンジンを含む)が一部でも脱落した場合
B 飛翔時における不安定な飛行(ロケットの飛行方向が予測できないなど)をした場合
・ スポーツマンシップに著しく反する行為がみられた場合。
・ 一般的な不正行為がみられた場合。
・ 打ち上げ準備所以外の場所でエンジンをセッティングするなど、保安上の対策を実践または遵守していない
場合。
【競技の中止】
・ 競技委員長の判断により、天候不良、視界不良などの理由で、競技進行中であっても競技会自体もしくは、
以後の競技は中止することがある。
@ 雨天
A 平均風速8m/sを継続して越える場合
B 視程が500mに満たない場合(開催種目により問題が無ければ除外)
C 発雷が予想される場合
D その他悪天候
・ 安全な打上げ/飛行が行えなかった競技者が出た場合、その競技種目を中止とする事もあり得る。
・ 選手自らの意思で打上げのタイミングを決められない競技においては競技開始後に中止が決定された場合、
途中となった種目については記録済みの他選手の成績も無効とする。
【抗 議】
・ 抗議・競技参加選手は、当該競技の終了が宣言されてから20分以内に、2,000円の審査申立料を添え
て競技委員長宛に抗議を申し立てることができる。
・ 審査申立料は、抗議内容が正当であると承諾された場合に限り、申立者に返却される。
【獲得ポイント】
・ 各種目とも上位10名に次のポイントを与える。
1 位 : 15点 2 位 : 12点 3 位 : 10点 4 位 : 8点 5 位 : 6点
6 位 : 5点 7 位 : 4点 8 位 : 3点 9 位 : 2点 10 位 : 1点
・ 機体検査にて検査員が補助を行った場合には、当該競技の成績から5点を減算する。
【フライオフ】
・ 総合優勝を決める際において、ポイントが同点の場合は定点着地競技でフライオフを行う。なお、エンジン
は協会配布のエンジンを使用する。
【表 彰】
・ 各種目別に上位3名が表彰され、上位6位までを入賞とする。
【その他】
・ 上記記載以外については、JAR制定の自主消費基準規定を遵守すること。
・ 本競技規則は予告無く変更する事がある。
・ 各地方大会において、本競技規則から変更がある場合がある。
【競技種目】
● ペイロード定点着地競技
決められた発射地点から打上げ、上空でストリーマー付きペイロードを分離し、ペイロードを指定着地点(以
下、定点)にできるだけ近くで回収できるかを競う競技。定点は、当日の風向・風速を考慮して決定され
る。
◆ エンジン A型、レギュラーサイズのみ
◆ 機 体 全 長 : 無制限
直 径 : 無制限
重 量 : 80g以下
◆ リカバリーシステム ペイロードはストリーマー、機体はパラシュート、ストリーマーのいずれか
◆ その他 打上げ最低高度は40mとする。
● 定点着地競技
決められた発射地点から打上げ、定点に近い位置に着地させる競技。
◆ エンジン 1/2A6ー2
◆ 機 体 Estes社製AlphaIIIR(エステス社製 アルファーVR)
◆ リカバリーシステム パラシュート、ストリーマのいずれか
◆ その他 打上げ最低高度は40mとする。
● 高度競技
規定エンジンを用い、最高到達高度を競う競技。
◆ エンジン 1/2A6ー2
◆ 機 体 全 長 : 250mm以上
直 径 : 24mm以上
※ 全長の50%以上が最小直径を下回ってはならない。
◆ リカバリーシステム パラシュート、ストリーマのいずれか
● パラシュート滞空時間競技
規定エンジンを用いパラシュート仕様の機体で滞空時間を競う競技。
◆ エンジン 1/2A6ー2
◆ 機 体 全 長 : 250mm以上
直 径 : 24mm以上
※ 全長の50%以上が最小直径を下回ってはならない。
◆ リカバリーシステム パラシュートのみ
● ストリーマ滞空時間競技
規定エンジンを用い、ストリーマ仕様の機体で滞空時間を競う競技。
◆ エンジン /2A6ー2
◆ 機 体 全 長 : 250mm以上
直 径 : 24mm以上
※ 全長の50%以上が最小直径を下回ってはならない。
◆ リカバリーシステム ストリーマのみ
● エッグリフト
規定エンジンを用い、生鶏卵を搭載して最高到達高度を競うと同時に、搭載した生鶏卵に損傷の無いように回収
する競技。
◆ エンジン C型のみ
◆ 機 体 全 長 : 400mm以上
直 径 : 30mm以上
重 量 : 180g 以下
◆ リカバリーシステム パラシュート、ストリーマのいずれか
● スポーツスケール
規定以内のエンジンを用い、実在するロケットを模した機体でスケール度等を競う競技。
◆ エンジン 複数個を使用する場合でもトータルで20Ns以下で且つ、総火薬量は20g以下とす る。
◆ 機 体 全 長 : 180mm以上
直 径 : 18mm以上
重 量 : 150g 以下
◆ リカバリーシステム パラシュート、ストリーマのいずれか
【計 測】
● ペイロード定点着地競技
・ 測定者が着地点を特定できなければ失格とする。
・ ペイロードの着地点が定点から10mを超える場合は記録なしとされる。
● 定点着地競技
・ 定点から機体着地点のまでの距離により得点配分し、着地した距離に応じて配分された得点を加算する。原則
とし2回の打上げの合計点で順位を決定する。
・ 得点配分は原則として以下とする。
2m以内 : 10点
2m超 5m以内 : 8点
5m超 10m以内 : 7点
10m超 15m以内 : 6点
15m超 20m以内 : 5点
20m超 : 3点
● 高度競技
・ 最高到達高度は次の計測方法を用い、算出される。
@ ベースラインは一直線とし、その直線距離の中心を射点とする。そのベースラインの両端に測定ポイント
を設ける。
A 測定項目は上下角のみとし、水平角は測定しない。
B 両端の測定点の計測角度からそれぞれ高度を計算し、次項の計算式に基づき計算する。なおベースライン
が諸条件により、100mに満たない場合には高度競技を行わない場合がある。
(下図参照)
● 滞空時間競技
・ 時間計測は2名の計測員によって計測され、その平均値を競技記録とする。
・ 計測時間は、1/10秒以上を計測値とし、それ未満は切り捨てとする。
・ フライトは、次のような場合終了したとみなされ、時間計測を終了する。
@ 機体の一部が地面、建造物、樹木などに接触した時点A機体が障害物や雲の陰に入り確認出来なくなった
時点で時間計測者は10秒間だけ計測を続行し、その後も機体が確認出来ない場合には時間計測を終了し、
計測された時間から10秒差し引いた値を滞空時間として記録する。
● スポーツスケール
・ ドキュメント(実機資料)などは不要とするが、機体製作時に使用した写真などは添付すること。
・ 得点順位は付けない。
・ 開催競技会によっては、各種の賞を設定する。
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