ラグの取り付け強度はどれくらい必要か ラグの取り付け部に(*1、*2)にどんな力がかかっているのでしょうか?モデル化して考えて見ましょう。(図−4)簡略化するとラグパイロンを方持ち梁のように考えることができます。(図−5)状態によって2つのモードが考えられます。 1. 滑走中は→推力より小さい摩擦力がラグのあたりに作用しています。 2. 引っ掛かると→ラグが固定端の方持ち梁となり機軸位置に推力が作用する かたちになります。 力のかかる梁には、せん断と曲げモーメントの2つの荷重が部材に作用します。さらに曲げモーメントにより部材の曲がる外側には引っぱり、内側には圧縮の荷重がかかります。(図−5右図)せん断はかかる力と等しい荷重が梁全域にかかっています。 物の強さを考える時には、使用中にかかる可能性のある最大荷重に着目します。この場合の接合部の荷重がどうなるかを考えてみましょう。最大曲げモーメントMmaxは固定端、この時ラグとパイロンとの接合部あたりに掛かります。(図−4の*2)その大きさは、力の作用線〜梁の固定端までの距離Lと力の大きさPで決まります。 Mmax=P×L 仮にラグパイロンを図−5のようなサイズとして荷重(応力)を求めてみましょう。 |
B.せん断応力は梁の断面の上と下で小さくなり矩形断面ならば中心で最大になります。(図−6)せん断力をW、梁の断面積をA、最大せん断応力をτmaxで表すと τmax=κ×P/A となります。κは形状係数で矩形断面ならκ=1.5です。式に数値を入れて計算すると P=10.7[N] A=3×10−3[m]×32×10−3[m]=96×10−6[m2] τmax=1.5×10.7[N]/96×10−6[m2]=0.1671875×106[Pa] =0.1671875[N/mm2] したがって、この場合は、ラグがロッドに引っ掛かって止まった時の、ラグとラグパイロンにかかる曲げ応力が、部材にかかる最も大きな負荷であると考えられます。それに耐える強さにしてやれば良いことが分かります。 |